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『カサノバ・コンプレックス』ピーター・トラクテンバーグ、岸田秀 訳、飛鳥新社

07年7月25日

 意外と良著。Bookoffで100円で売ってたにもかかわらず。理由は、ひとつには、「カサノバ」的男性をうまくカテゴライズして、それぞれの生態をフィールドワーク・ヒアリングを通して描写している点。もうひとつは、これはもぅ個人的嗜好としか言えないと思うんだけど、いろんな本とかの引用がまさに「衒学的」で、その「学者肌になろうとしてなりきれてない」青さっていうか、それがいい。しかもオチが「実は私もカサノバでして・・・」という切り口で、自分が浮気の果てに奥さんと別れるところまでを生々しく描写してる。その自虐趣味は(やはり個人的に!)凄く共感できるぞ。

 さて、ぼくはドイツの片田舎で「ドイツテレコム禍」に見舞われ、Youtubeも見られず、Wikipediaも読めず、鬱々と日々を過ごしておるのですが、そんな中でもこんな本を読んでしまった以上(そして他にやることが無い以上)書かなきゃならないと思い筆を取った次第でございます。

 この本、ぶっちゃけ言えば、「いろんな女性を食い散らかし、捨てるような男性の生態、存在意義、云々」について300ページ弱が割かれています。(「女は芸の肥やし」という言葉に賛同する男性は読むべき。なお、ぼくの読みでは、日本人男性の9割以上は賛同すると踏んでいる)この本のおもしろいのは、そんな日本男児の鏡 男の風上にも置けないような男達を6つのカテゴリーに分類する点。すなわち、

 

ヒッター・・・とにかく手当たり次第、数を打って、ほぼ一夜の関係のみ。女性は性欲を満たす対象としてのみ。特定の親密な関係性(彼女、妻)は持たない。

ドリフター・・・ヒッターよりも恋の手練主管を好み、関係性が少し長く続くー数週間単位。女性にある種のステータスを求める。やはり特定の親密な関係性は持たない。例:ジェームスボンド。なお、筋肉少女帯の有名な曲とは何の関係もございません。

ロマンティスト・・・完璧な女性を追い求め、手に入れ、その女性が完璧でないことを悟って挫折、放棄・・を繰り返す。女性像を「ユディト」と「ルクレティア」に二分し、前者を軽蔑し、後者を崇拝する。

ネスター・・・ロマンティストよりも、持続的関係を求め、続けることができる。但し、愛は瞬間的なものと理解し、その残骸に苦悩する。

ジャグラー・・・「一男多女主義」を公言する。「本命」が居て、その周辺部に浮気相手を作る感じ。本命とは(裏切りを含め)親密な関係性を続けるが、浮気相手とはつかのまの恋。

トムキャット・・・最も一般的なカサノバ。例えば妻子持ちのいい夫で、家庭を大切にしているが、家庭に無いものを浮気に求める。「繊細さに欠けながら情にもろく、罪の意識を感じていながら鈍感なところもある」つまり、いろんな意味で小市民的な性格を持ち合わせた男、という事か(だからこそ著者も「カサノバの中で最も魅力の少ない」と評した)

(注;個人的には、この手の男性像にカサノバを重ねるのは、カサノバにとって心外なんじゃないかなぁとも思うんですが、その議論はまた今度。)

 

 「孤独と共感」曲線、という関数でもあるなら、これら6人のカサノバ達はその曲線の上にちゃんと乗って、何らかの傾向を見せるんだろうなぁ・・と一人想像。まぁいいや。さて、こういうのを挙げると、次にくる設問は当然「では、あなたはどのタイプ?」笑

 もちろん「オレは浮気なんてしないよ!彼女/嫁一筋やから!浮気なんて考えたことも無い!」ていう人が居れば、それはそれでええんですけど、そんな男は読むな!帰れ!(笑)

 ぼくの知ってる男の子で考えると、「ヒッター」は知らないですね・・・「ドリフター」は、高校の同級生が「女なんてステータスやから」と言い放ってたのを思い出した。高校で既にカサノバの片鱗を見せるとは・・xxさん恐るべし。「ロマンティスト」は、結構多いと思う。(ぼく、基本的に男友達、少ないですけど・・)オマエだオマエ!まぁ、これについてはまた今度ゆっくり喋ろうぞ。さて、「ネスター」。そもそも、本文中の「ネスター」と「ジャグラー」の区別がよくわかんなかったんですけど、まぁいいや、実際にそういう人に会ったことは無いなぁ。「ネスター」「ジャグラー」と「トムキャット」の違いは、前者がOpen relationship(公然の浮気関係)の傾向があるのに対し、後者は秘密は守る点。さすれば、やっぱり「トムキャット」は圧倒的多数という事になると思う。ぼくの女友達の中で、「トムキャット」に捕まる子がいかに多いことか・・・(涙)

 さて、オマエは何やねん!って訊かれる前に答えますが、ぼくは恐らく完全な「ロマンティスト」やろうなと思う。愛の完璧な瞬間を求めるし、時間の経過によって歪んでいく関係性に我慢がならないと感じるし。だから、愛の瞬間に重心を置き、関係性の持続は考慮に入れないという立ち位置に居るんだけど、それでも少しづつ「ネスター」「ジャグラー」の方ににじり寄ってる感もある。

 でね、そんな感じで、「あぁ、この人、ようわかってるやん!」って、共感しながら読めたんですよ(しつこいけど、この本に共感するところがひとつも無いような男の子は、日本男児と認めません。友達関係解消してもらいます。)。ただ、最終章でのオチが、

 

カサノバ・コンプレックスは明らかに精神的疾患です。速やかにセラピストのカウンセリングを受けてください。さもないと・・・・

 

っていう話で締めくくられてるんやもん!(笑)これはひどいわ。イヤ、ぼくはいくら中島らも卿を目指しているからといっても、至って正常!のはず!

自分の正常性に納得ができなくなること請け合い、という本です。お勧め。

ちなみに、そんな男の鏡どうしようもない男にどうしようもなく惚れてしまう女の子の傾向と、彼女らへの忠告と処方箋も書かれている点がナイス。読了後、思わず「この本を貸してあげたい女の子リスト」が頭に浮かんだけど、そのリストはあえてここには公開しませーん。

 

ちょっと今日の文章はいつになく躁病チックに見えますが、別にやけっぱちになっている訳ではなく、これから電話デートするので、それが楽しみなんです。また来週!